リクガメは穏やかで可愛らしいペットですが、適切な知識がないと長生きさせることが難しくなります。本記事では、リクガメを3年以上飼育した経験をもとに、初心者が知るべき基本的な情報を網羅しました。環境作りから餌、注意点、種類、寿命、購入方法、病気の対策まで詳しく解説します。
1. リクガメ飼育の基本環境
リクガメは適切な環境がないと健康に成長できません。以下のポイントを押さえましょう。
1-1. 飼育スペースの確保
リクガメは大きくなる種類が多いため、十分なスペースを確保することが大切です。室内飼育の場合、最終的には最低でも90cm×60cmのケージが必要になります。屋外飼育を考えるなら、逃げ出さないように囲いを設けることが重要です。でも、そこまで大きくない個体を購入して飼育を始めるならまずは60 cmゲージで大丈夫です。
1-2. 温度と湿度の管理
リクガメは変温動物のため、適切な温度管理が欠かせません。
夏場は部屋自体には暑すぎる場合はクーラーや扇風機の利用を考える必要があります。
しかし、直接リクガメに風が当たってしまうと寒いと感じることもあり体調不良の原因になりますので、お部屋の空気を循環させて温度をコントロールしてください。
冬場はシートヒーターは必須でダントツなどの遠赤外線の保温器具もライトと併用しましょう。
- 昼間の温度:28〜32℃
- 夜間の温度:20〜25℃
- バスキングスポット(甲羅干し場所):35℃前後
- 湿度:40〜60%(種類による)
1-3. 紫外線ライトとヒーター
リクガメはカルシウムを吸収するために紫外線が必要です。UVBライトを使用し、日光浴の代わりにしましょう。また、冬場はパネルヒーターやセラミックヒーターを使い、適温を維持します。
2. 飼育に必要な設備
リクガメの飼育にはいくつかの必須アイテムがあります。
2-1. ケージ・飼育ケース
初心者には市販のガラスケースや木製ケージが便利です。十分な通気性があり、リクガメが自由に動ける広さを確保しましょう。
リクガメは想像以上に歩き回る生き物です。歩くことで運動になり筋肉が育つので、狭すぎるケージで飼うと足腰が弱りうまく歩けなくなります。
2-2. 床材
床材はリクガメの健康を左右します。
おすすめはウッドチップです。誤って食べても問題無いですし、小さいうちは歩きにくそうにしていますが、良い運動にもなるのであえてそのままでも良いです。あまりにもウッドチップが大きく感じる場合は少し砕いてあげて下さい。
- ヤシガラチップ:保湿性があり、湿度を維持しやすい
- 新聞紙:掃除が楽だが、保湿性が低い
- 赤玉土や砂混じりの土:自然に近い環境を再現可能
2-3. 水容器と餌皿
リクガメは飲水も必要なので、大きめの浅い水容器を用意します。餌皿も設置し、清潔を保ちましょう。どちらも食べ残しは毎日捨ててキレイにしてあげて下さい。
3. リクガメの餌について
3-1. 主な食事
リクガメは草食性が強く、野菜や果物を中心に与えます。
- 小松菜、チンゲンサイ、タンポポの葉
- ニンジン、かぼちゃ(少量)
- 果物(たまに与える)
- 人口のフード
※人口のフードのみを与えると栄養的に不足はないですが、逆に成長が早すぎたり野菜を全然食べなくなったりするので、野菜とバランス良くあげるのが重要です。一説ではフードのみを与え続けると腎臓や肝臓にダメージが蓄積するとも言われています。まだ、研究大会なのでハッキリとはしていませんが。。。
3-2. カルシウムとビタミン
甲羅の健康維持のために、カルシウムパウダーを適宜ふりかけましょう。ビタミンD3を含むサプリメントも役立ちます。
4. リクガメを飼う際の注意点
4-1. 触りすぎに注意
リクガメは人懐っこくはないため、頻繁に触るとストレスになります。最低限の接触にとどめましょう。
4-2. 冬眠の管理
冬眠する種類を飼う場合は、冬眠の準備が必要です。初心者は冬眠しない種類を選ぶのが無難です。冬眠する種類でも温度を高めにキープして冬眠させない方が無難です。
5. リクガメの種類と寿命
5-1. 人気のリクガメ種類
- ギリシャリクガメ(寿命40年以上、小型で飼育しやすい)
- ヘルマンリクガメ(寿命30年以上、活発で丈夫)
- ホシガメ(寿命50年以上、美しい甲羅模様)
- ケヅメリクガメ(寿命50年以上、大型で初心者には不向き)
- ロシアリクガメ(寿命30年以上、普及している中では一番小型で温厚)
5-2. リクガメの寿命
リクガメは長寿なペットで、適切に飼育すれば30〜50年以上生きることもあります。終生飼育できるか考えてからお迎えしましょう。
6. リクガメの購入方法
6-1. ペットショップ・ブリーダー・里親
- ペットショップ:初心者向けだが、管理状態に注意
- ブリーダー:健康な個体が多い
- 里親募集:飼育経験者向け
6-2. 健康な個体の選び方
- 目がぱっちりしている
- 甲羅がしっかりしている
- 鼻水が出ていない
- 活発に動く
- 痩せていない(前足や首の根本に窪みがないか)
7. リクガメの病気と対策
7-1. よくある病気
- クル病(カルシウム不足):UVBライトとサプリメントで予防
- 肺炎(低温・湿度管理ミス):適温維持が重要
- 甲羅の変形(栄養不足):バランスの取れた食事を与える
7-2. 病気の予防策
- 温度・湿度管理を徹底
- バランスの取れた食事を与える
- 定期的に健康チェックをする
まとめ
リクガメの飼育は初心者にも可能ですが、適切な環境と知識が必要です。温度・湿度の管理やバランスの良い食事、健康チェックを怠らなければ、長く一緒に暮らせます。リクガメを迎える際は、寿命の長さも考慮し、最後まで責任を持てるか確認しましょう。悩んだら自分がリクガメになった気持ちでどうすれば一番心地よいか考えましょう。また、ペットショップや獣医にも早めに相談しましょう。
リクガメの飼育を楽しみながら、健康的な環境を整えてあげてください!
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