リクガメの飼育環境を徹底解説!屋内・屋外の違いや温度・湿度管理のポイント

リクガメは長寿で穏やかな性格を持つ魅力的なペットですが、適切な環境を整えないと健康を損なうことがあり意外と神経質な一面も持っています。本記事では、屋内・屋外の飼育環境の違いや、温度・湿度管理、ケージの広さ、紫外線ランプやホットスポットの重要性、冬場の管理方法について詳しく解説します。リクガメを3年飼育した経験者の視点も交えてお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

近くの公園でお散歩させている時のロシアリクガメ。

1. リクガメの飼育環境:屋内と屋外の違い

屋外飼育は環境によっても実現が難しいですが、広い場所を自由に歩き回れるメリットはあります。また、飼育するリクガメの種類によっては大人になると屋内で買うことが難しいほど大きくなるものもいます。リクガメは買う前に大人になった時の大きさもしっかりと調べてから飼いましょう。

屋内飼育のメリット・デメリット

メリット

  • 天候に左右されず、年間を通して安定した環境を保てる。
  • 外敵(カラスや猫など)から守ることができる。
  • 温度・湿度を細かく調整しやすい。

デメリット

  • 日光を浴びる機会が少なくなるため、紫外線ランプが必須。
  • 運動不足になりがちで、ケージの広さを工夫する必要がある。

屋外飼育のメリット・デメリット

メリット

  • 自然光を浴びることができ、紫外線をしっかり吸収できる。
  • 運動スペースを広く確保できるため、自然な成長が促される。
  • 草などの自然の餌を食べる機会が増える。

デメリット

  • 温度管理が難しく、寒暖差に対応するための設備が必要。
  • 雨や風をしのげるシェルターを設置しなければならない。
  • 外敵対策(フェンスや網の設置)が必要。

2. リクガメに適した温度と湿度管理

温度については必ず触れられていますが、実は湿度もかなり重要です。特に冬場は極端に湿度が下がってしまうため、食用不振の原因になったりするためリクガメの種類に合った湿度を維持するようにしましょう。湿度のコントロールは床材に直接霧吹きで水を吹きかけてOK!必要なら朝晩でも。

適切な温度設定

リクガメの種類にもよりますが、一般的なリクガメ(ヘルマンリクガメ、ギリシャリクガメ、ロシアリクガメなど)に適した温度設定は以下の通りです。

  • 昼間の適温:25〜30℃
  • ホットスポット(バスキングエリア):35〜40℃

※あまり強い光が当たらない場所も作ってあげましょう。そうすることでリクガメ自身が温度の調節をできるようになるので、暑すぎ、寒すぎをコントロールしてくれます。

  • 夜間の適温:20〜25℃

湿度の管理と水場の重要性

リクガメは乾燥した環境を好みますが、適度な湿度が必要です。

  • 理想的な湿度:40〜60%(種類による)
  • 水場の設置:ケージ内に浅い水皿を置くことで湿度を適切に保つ。
  • 霧吹き:乾燥しすぎる場合は、軽く霧吹きをする。
こちらは60 cmケージでロシアリクガメの1歳を飼育している様子。床材はウッドチップとヒノキチップ

3. ケージの広さとレイアウト

リクガメのケージは広ければ広いほど良いですが、最低限の広さとして以下を推奨します。なぜ広いといいかというと、リクガメはメチャクチャよく動き回るからです。動くことによって筋肉を動かして、筋力をつけます。小さすぎるケージでずっと飼っていると運動量が足りずに筋力が下がります。不健康なリクガメは筋力が少なく甲羅を引きずりながら歩くのでペットショップなどで購入する際の一つの指標にもなります。

  • 60 cm ケージ:ベビーや小型種向け(狭くなったら早めに拡張)
  • 90 cm ケージ:成長した個体向け(最低限のサイズ)
  • 120 cm 以上:より自然に近い環境を作るために理想的

ケージのレイアウトのポイント

  • 床材:ヤシガラ、ウッドチップ、土など、適度に湿度を保持するもの。
  • 隠れ家:ストレスを減らすため、シェルターを用意。
  • 水皿:飲み水と湿度維持のために必須。
  • 紫外線ランプとホットスポットの設置

4. 紫外線ランプの重要性

リクガメは紫外線を浴びることでビタミンD3を生成し、カルシウムを適切に吸収できます。屋内飼育の場合は、UVBランプの設置が必須です。人工フードを餌にあげている場合はそんなに気にしなくていいいですが、野菜中心で餌をあげている場合はカルシウムのサプリを振り掛けることも忘れずに!

紫外線ランプの選び方

  • UVB 10.0 以上(砂漠地帯出身のリクガメ向け)
  • UVB 5.0(森林地帯のリクガメ向け)
  • 距離の調整:ランプとリクガメの距離は30〜40cmが理想。
  • 交換時期:6ヶ月〜1年ごとに交換。
ホットスポットで餌を食べるロシアリクガメ

5. ホットスポットの設置

リクガメは変温動物のため、体温を調整するためにホットスポットが必要です。

ホットスポットの作り方

  • バスキングライトを設置:温度は35〜40℃が目安。
  • 温度勾配を作る:ケージの一部は涼しいゾーン(25〜28℃)にする。
  • 床材で調整:熱を吸収しやすい石やタイルを敷く。

6. 冬場の飼育方法

冬場は気温が下がるため、適切な対策が必要です。正直なところ、屋外での冬眠はかなり上級者じゃないとチャレンジしないほうが無難だと思います。冬眠したまま、翌歳の春に目覚めないこともあるので要注意です。

室内飼育の場合

  • 保温ライト・パネルヒーターを設置
  • 最低温度20℃をキープ
  • ホットスポットの温度を維持

屋外飼育の場合

  • 屋内に移動が基本
  • シェルター内にヒーターを設置
  • 冬眠させる場合は慎重に管理
メルカリで発注した90 cmケージで飼育しているロシアリクガメ。甲長は20cmほど

まとめ

リクガメの飼育環境は、屋内・屋外の違いを理解し、温度・湿度管理を適切に行うことが大切です。ケージの広さや紫外線ランプ、ホットスポットの設置も健康維持に不可欠です。特に冬場は寒さ対策をしっかり行い、リクガメにとって快適な環境を整えましょう。また、床材も汚れてきたら交換してあげましょう。床材交換は3ヶ月が理想ですが、汚れ具合を見て半年ぐらいまでは大丈夫です。ただし、床材の交換は一度に全ての床材を廃棄して新しいものと入れ替えると、急な環境変化から食欲不振など体調不良の原因になりますので、⅓や1/2ずつ入れ替えてあげるのがコツです。あなたも飼えるリクガメを調べて、リクガメとの生活をスタートしましょう。

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