南国でゆったり暮らしたい、英語圏に近い環境に身を置いてみたい——そんな理由からマレーシア移住を検討する人が年々増えています。
私自身、2018年にマレーシアへ渡り、就労ビザを取得してセランゴール州のコンドミニアムで母と2人暮らしをしていました。現地のコールセンターで世界的ショッピングサイトの出品者サポート業務に携わりながら、物価の安さと住環境の快適さを実感する一方で、現地ならではの文化の違いに戸惑うこともありました。
この記事では、そんな実体験をベースに、これからマレーシア移住を考えている方に向けて、ビザ・費用・税金・住居・仕事・生活インフラ・注意点まで一通り解説します。当時と比べて為替レートが変わっている部分もあるので、最新情報と合わせてチェックしていただければと思います。
この記事でわかること
- マレーシア移住に必要なビザの種類と選び方
- 移住にかかる費用感と、税制面でのメリット
- コンドミニアム暮らしのリアルな住み心地
- 現地就職のリアルな収入事情とデメリット
- 生活インフラの実際の快適さと注意点
目次
- マレーシア移住の基本(ビザの種類)
- 移住にかかる費用・税金
- 住居事情|セランゴール州コンドミニアム暮らしのリアル
- 現地での仕事・収入源
- 生活インフラの実際の快適さ
- 移住前に知っておきたい注意点
- 移住前の持ち物・準備リスト
- まとめ
1. マレーシア移住の基本(ビザの種類)

マレーシアで90日を超えて滞在するには、パスポートとは別にビザの取得が必要です。移住目的によって選ぶべきビザは変わってきます。
- 就労ビザ:現地企業に雇用される形で取得するビザ。私自身もこのタイプで移住しました。就労先が決まっていることが前提になります。
- MM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム):定年後の長期滞在者や、資産を持つ層に人気の長期滞在ビザ。ただし年々条件が見直されており、定期預金額や不動産購入額のハードルが上がっている点には注意が必要です。
- 学生ビザ:マレーシアの教育機関に在籍する場合に取得できます。
- 扶養ビザ:就労ビザやMM2Hを取得した家族に帯同する形で取得します。
どのビザにも共通するのは、必要書類の準備に時間がかかることと、申請から承認まで数ヶ月単位で見ておく必要があることです。移住を決めたら、まずは自分がどのビザに該当するかを早めに確認することをおすすめします。
なお、ビザの制度や条件は年々変わるため、実際の申請前には必ず最新の公式情報を確認してください。
ビザについてさらに詳しく知りたい方はこちらもあわせてどうぞ:マレーシア移住のビザについて
2. 移住にかかる費用・税金
マレーシアは全体的に物価が安い国として知られていますが、項目によって「安いもの」と「そうでもないもの」がはっきり分かれます。
驚くほど安かったもの
- ホテル代・タクシー代:私の体感では、日本の1/10程度になることもありました。国内旅行や近距離の移動にかかる出費を大きく抑えられます。現地では配車アプリ「Grab」を使ったタクシー移動が主流で、料金も明朗で安心です。

日本とそこまで変わらなかったもの
- スーパーでの買い物:きれいな店構えのスーパーだと、価格帯は日本とそう変わらない印象でした。
- 日本製品:輸入品扱いになるため、日本で買うよりかなり割高になります。日本食や日本のブランド品にこだわりがある方は、想定より出費がかさむ可能性があります。
税制面でのメリット マレーシアには、日本でいう「住民税」にあたるものがなく、移住者にはこの点は大きなメリットです。日本では所得に応じて住民税が課されますが、マレーシアではその負担がありません。個人所得税の制度自体は日本と異なる仕組みで存在しますが、「住民税分の負担が丸ごとない」というのは、生活コストを考えるうえで見逃せないポイントです。
一方で、税金の手続きは日本のように「待っていれば進む」ものではありません。私の場合、こちらからメールや電話で何度も催促しないと手続きが一向に進まないということがよくありました。移住後の各種手続きは、自分から能動的に動く姿勢が欠かせません。
税金の手続きについてより詳しく知りたい方はこちら:マレーシアの税金について
3. 住居事情|セランゴール州コンドミニアム暮らしのリアル

私が実際に住んでいたのは、セランゴール州のコンドミニアムでした。母と2人暮らしで、2ベッドルーム・2バスルーム・1トイレの間取り、家賃は月3,500リンギットでした。
マレーシアのコンドミニアムは、日本の分譲・賃貸マンションと比べて共用施設が非常に充実している点が大きな魅力です。私が住んでいた物件には、
- プール
- ジム
- BBQスペース
- 敷地内の公園
- ショッピングモールへの直結
- 24時間有人のセキュリティ
といった設備が揃っていました。日本でこれだけの設備が整った住環境を手に入れようとすると、かなり限られた富裕層向けの物件になってしまうと思います。この「コンドミニアムの快適さ」は、マレーシア移住の大きな魅力の一つだと実感しています。
物件を探す際は、エリアの治安や日本人コミュニティの有無、モールやスーパーへのアクセスなども合わせてチェックすると安心です。
コンドミニアム選びについてさらに詳しくはこちら:マレーシアのコンドミニアムについて
4. 現地での仕事・収入源
私は現地で、世界的なショッピングサイトの出品者向けサポートを日本語で行うコールセンター業務に従事していました。日系企業・外資系企業ともに、日本語対応スタッフを募集しているケースは意外と多くあります。
当時(2018年)の手取り給料は月16万円ほどでした。ただし、これは当時の為替レートでの金額です。現在はリンギットが円に対して上昇しているため、現地法人に就職してリンギット建てで給料を受け取る場合、同じリンギット額であっても、円換算での収入は当時より増えることになります。現地就職を検討する際は、リンギット建ての給与水準と、現在の為替レートを踏まえて収入をシミュレーションすることをおすすめします。
一方で、現地法人への就職にはデメリットもあります。人事部門をはじめ社内の体制がマレーシア人中心で構成されていることが多いため、退職時や会社側とトラブルになった際に、英語力がないとかなり苦労するという点です。日本企業のように日本語だけで人事とのやり取りが完結することは期待しにくく、契約内容の確認や交渉ごとを英語で行う必要が出てきます。現地就職を考える場合は、最低限のビジネス英語力を身につけておくと安心です。
コールセンター勤務の実体験はこちらでも詳しく書いています:マレーシアのコールセンターの仕事について
5. 生活インフラの実際の快適さ

生活インフラについては、移住前に想像していたよりもずっと整っていて、基本的には何不自由なく生活できるというのが正直な実感です。電気・水道・通信といったライフラインは概ね安定しており、都市部であれば日本と大きなギャップを感じる場面は多くありません。
ただし、まったくトラブルがないわけではなく、たまに断水や計画停電が発生することがある点は知っておくとよいでしょう。事前に告知されるケースが多いものの、日本のように「基本的に起きない」という感覚でいると驚くかもしれません。
もう一つ、私が実際に経験したデメリットが「時間にルーズ」な文化に起因するトラブルです。自宅のWi-Fi開通工事を依頼した際、決めていた日程に業者が来ないということがありました。これはマレーシアではめずらしいことではなく、多くの移住者が同じような経験をしているようです。
日本のような「時間厳守」を前提にスケジュールを組んでしまうと、予定が崩れるたびにストレスを感じてしまいます。あらかじめ「予定通りに進まないこともある」という前提で、余裕を持ったスケジュールを組んでおくのがおすすめです。
インターネット環境についてさらに詳しくはこちら:マレーシアのインターネットプロバイダについて
6. 移住前に知っておきたい注意点
- 「時間にルーズ」な文化への心構え:工事や事務手続きなど、日本の感覚で「当日中に終わるはず」と考えていると想定が崩れやすいです。
- 手続きは自分から動く:税金関係の手続きなど、催促しないと進まないことが多々あります。受け身でいると、必要な手続きがいつまでも完了しないこともあります。
- 現地就職なら英語力を:退職時やトラブル時の交渉は英語が前提になることが多く、最低限のビジネス英語力があると安心です。
- 為替レートの変動:私が移住した2018年と比べて、リンギットのレートは変化しています。生活費や家賃、現地就職時の収入感覚は、現在のレートで改めて計算し直すことをおすすめします。
- ビザ制度の変更:MM2Hをはじめ、ビザの条件は年々見直されています。申請前には必ず最新情報を確認してください。
7. 移住前の持ち物・準備リスト
- パスポート(有効期限に余裕を持たせる)
- ビザ関連書類一式
- クレジットカード・国際キャッシュカード
- 常備薬(日本製の薬は現地で手に入りにくいものもあります)
- 変換プラグ・変圧器
- 日本語対応可能な保険への加入検討
よくある質問
Q. マレーシアには住民税がありますか? A. 日本のような住民税の制度はなく、移住者にとって税負担の面でメリットの一つになっています。
Q. 生活インフラは整っていますか? A. 想像以上に整っており、基本的な生活で不自由することはほとんどありません。ただし、たまに断水や計画停電が発生することがあります。
Q. 現地就職の収入はどのくらいですか? A. 職種や企業によって幅がありますが、近年のリンギット高の影響で、円換算での収入は以前より増える傾向にあります。一方で、退職やトラブル時には英語力が求められる場面が多い点には注意が必要です。
8. まとめ
マレーシア移住は、物価の安さや税制面でのメリット、コンドミニアムの快適な住環境など、日本での生活と比べて得られるメリットが多くあります。生活インフラも想像以上に整っており、大きな不自由なく暮らせる点も安心材料です。一方で、「時間にルーズ」な文化や、現地就職における英語力の必要性など、事前に心構えをしておいた方がよいポイントも存在します。
ビザの種類や制度、為替レートは年々変わっていくため、実際に移住を検討する際は、この記事の内容を土台にしつつ、必ず最新の公式情報も合わせて確認するようにしてください。
今後、ビザの種類別の詳しい解説や、現地での仕事探しのコツなど、テーマを絞った記事も追加していく予定です。マレーシア移住に関心のある方は、ぜひ他の記事もあわせてチェックしてみてください。



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